【描き下ろし】日本橋ヨヲコがホルモンを漫画に 『少女ファイト』鏡子がコッテリ語り尽くす

わたしと将軍とボスとボンの話

わたしと将軍とボスとボンの話

昨日6/3、編集さんの異動の辞令交付解禁日超えたので私事ですがコメントさせてください。超長いです。

わたしは業界の話をするのが苦手です。
正直聞くのも好きじゃない。主観が入るものだから。
ましてや自分の連載してる雑誌の編集部のことをや。

でも今だから言える、あまりに自分の物語として大事なことがあるので、あえてここに綴らせてください。

2016年、丁度「日本橋ヨヲコ画業20周年記念大原画展」が秋田のまんが美術館で行われた年ですね。
その頃、とあることが発覚してわたしはすごく悩んでいました。
ただそのへんの細かいことはまったく粋じゃないので全部ぶっとばしてお話しすることをお許しください。
ぜんぜん面白くないし。最終的に明るいお話だしね。

悩みに悩んだ末12月下旬、当時まだ新任して1年目くらいの面識がほぼなかったM浦編集長に相当な覚悟で「イブニングを辞めたい。少女ファイトを移籍したい。」という旨を告げます。(作品自体はもちろん続けるつもりでしたので読者様はここをさみしく思わないでね)

ここからはM浦編集長=将軍という愛称で呼ばせてください。

すると将軍はこちらにすっ飛んできて、誠実すぎるくらい誠実にわたしの話を最後まで聴いてくれました。
結論を端的に言うと、将軍はわたしに「辞めないでほしい。担当はすぐに変えるし、俺らも変わっていかなきゃいけないと思う。」と。

完全に辞めるつもりで挑んだのに、話し合いの最後にはここまで侠気ある対応をされて辞めるなんてとてもじゃないけどできないと踏みとどまり、1年間様子を見させてくださいということに。その頃はあまりに心身が消耗していたので将軍は数ヶ月のお休みまでくれて。あの時期休みがちだったのはこういう事情だったんです。読者様には全く関係ないことなのにごめんね。

そして2016年の年末からは新担当S田くんに。彼はずっとわたしの読者でいてくれた子で、証拠に講談社の就職活動時の当時の日記まで証拠として見せてくれました笑 彼との仕事はとても楽しくて、ここの半年間でかなり回復し、連載を続ける栄養を彼にいただいたといっても過言ではありません。ただイブニング歴も長くとてもお仕事できる子だったので半年くらいでマガジンに異動になります。このときも将軍はS田がすぐに異動になってごめんね大丈夫かって気にかけてくれました。今でもS田くんだいすきです。元気でやってるかな。また飲みすぎてないかな。

そのあとにわたしに将軍がつけてくれたのは、現在の担当、将軍の右腕だったボスと、フライデーから異色の異動をしてきた全く漫画編集経験のないボンの2人体制。

ボスは異常なコミュ力と1を聞いて10を知るセンスとバランスのかたまりのひとで、周りから頼りにされお仕事も忙しすぎる故に短時間しか打ち合わせできないので、マグロ漁船に乗ったお父さんがたまに帰ってきてでっかいマグロだけ置いてまた別の漁にもどっていくようなかんじでした。ただそのマグロがすごい。次回のネームで抑えるべきポイントが的確で本当に尊敬できる。外見マフィアにしか見えないけど格好良くて面白くて優しいボスです。

そしてボン、最初はボンがまんが部族の風習に慣れず、かなりわたしも雷を落としましたが、何度殴られても立ち上がってきて(比喩)、かたくなにどアナログ志向だった彼がようやく昔の慣習を捨て、デジタルを習得しはじめた途端エクスカリバーを手に入れたようにお仕事ができるようになります笑 30代半ばで今までやってきたプライドや慣習を捨てて新しい部族に馴染むことは並大抵の努力ではできません。今は彼がいないと成り立たないくらいわたしを母親のようにフォローしてくれてとても信頼しています。不器用だけど近年稀に見るガチの善人。

そんな将軍・ボス・ボンに恵まれ穏やかな仕事の日々で完全に心は回復し、本当にあのときイブニングを辞めなくてよかった、将軍に止めてもらえてよかったと実感するように。そして2019年、6/3をもって、将軍はモーニングの編集長に、ボスはイブニングの編集長に異動となりました。

ボスが編集長に昇格でめでたい、めでたすぎ、超うれしい!んですが、できれば将軍がイブニングの編集長でいてくれるうちに売れたいという願望が自分にはあったので、それが叶わなかったのだけが悔いで。そんなわけで今回Twitterの公式アカウントでこちらのつぶやきをしたわけです。将軍が編集長、ボスが担当時代に最後にお仕事をした12号はどうしても1位をとって少しでも実売上げて餞の代わりにしたいと。

このつぶやきに読者様は「君たちは親かよ(;O;)」ってくらい反応し応援してくださって、しかも画面が涙で見えないほどイブニング本誌を購入してくれて…何度土下座しても足りないくらいです。本当に本当にありがとうございます。

雑誌というものは編集長ひとりで完全にカラーが変わるものです。
方針ひとつに救われる作家もいれば涙を流す作家もいます。どちらも経験してきました。
現在のわたしは将軍時代のイブニングに救われた作家として大恩があります。
今月からは将軍の意思を継ぐボスの一兵卒として、イブニングの歯車の部品になれたらいいなとおもっています。

将軍、あのときわたしを見捨てないで本気で向き合ってくれてありがとう。
当時影で支えてくれた少女ファイト初代担当のK林くん、二代目担当のM村さんも。
雑誌の編集さんは「この時代にあえて漫画雑誌を作る意味」といつも戦ってるとおもうけど、わたしくらいは雑誌の子でいさせてください。

読者様、新生イブニングと新生モーニング、応援してくださいね!
なんたって編集長達が最高だからさ!
講談社の漫画雑誌、今こそすごく面白いとおもうよ!

ここまで読んでくれてありがとうございました!